ルウの寝顔
ルウの寝顔が大好きだった。
ルウは飼い主である自分にとって初めての家族犬だった。
ずっと、犬が身近にいる事もなく、飼いたいと思った事もなかった。
10年ぶりに故郷に戻り、家を建て、何となく。。。
本当に何となく、犬でも飼ってみようかと思った。
何の知識もない自分は、本からだけの知識でルウを家族に迎えた。
犬はソファーの上でくつろぎ、お散歩は飼い主とのんびり歩く、
そんなふうに思っていた。
テレビや、道で見る犬はそんなだった。
しかし、ルウは自分の手を噛みまくり、家の中でも外でも激走した。
赤ちゃんの頃の犬はヤンチャと本に書いてあったが、こんなだとは。。。
本に書いてあるように、ペットボトルに小石を入れて振ってみたり、
無視してみたり。。。
でも、全然いうことを聞かず、悲しくなって泣いたりもした。
赤ちゃんの時期、自分が叱ったり、無視したり、泣いてしまったりで、
正直その頃、ルウは自分の事をそんなに好きではなかったと思う。
自分も、思い通りにならないルウが少し苦手だった。
と言うか、どうしていいのか分からなかった。
こんな自分だから、ルウは心から自分に甘える事があまりなかった。
シャイで、甘え下手の犬にしてしまった。
でもそんなルウは、眠くなると飼い主のそばに来て、体を寄せて眠った。
優しそうな寝顔で、甘えてくれていることが嬉しくて、
ずっと眺めていた。
月日が経ち、ルウは成長し、落ち着き、自分も余裕が出てきた。
可愛くて可愛くて、ルウの事が無くてはならない存在になっていた。
お互いの信頼関係もでき、我慢強いルウは、
病院でどんなに嫌なことをされてもじっと我慢していた。
そして年を取っていっても、可愛さは募り、
ルウがいなくなった時の事を思うと、胸が苦しくなった。
可愛かったルウ。
一番可愛い赤ちゃんの時期、もっと楽しめば良かった。
もっと可愛がってあげればよかった。
もっと優しく接してあげればよかった。
後悔ばかり。
ごめんね、ルウ。
ルウは幸せだったかな。
自分はルウがいてくれて幸せだったよ。
ありがとうね、ルウ。
いつまでも忘れないよ。
- 2014.02.25 Tuesday
- ルウ
- 15:49
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- by モモmama